こんにちは、パシフィック・イングリッシュです。多くの方は、英語に「アメリカ英語」や「イギリス英語」があることはご存知だと思います。アメリカ英語はアメリカで話されている英語、イギリス英語はイギリスで話されている英語……だけど、何がどう違うの?習うならどっちがいいの?
今日は、そんな小さな疑問にフォーカスしてみましょう。
◆アメリカ英語とイギリス英語の違い ー発音編ー
まず、アメリカ英語とイギリス英語の違いの1つは「発音」。よく「アメリカ英語の方が単語が繋がって聞こえる」のに対し「イギリス英語は単語1つ1つが切れて、クリアに聞こえる」なんて言われることがあります。
例えば、Tomatoという単語をとってみても、
アメリカ英語では /təˈmeɪtəʊ/ (日本語では “トメイト” という音に近い)
イギリス英語では /təˈmɑːtəʊ/ (日本語では “トマト” という音に近い)
と発音に違いがあります。
アメリカ英語の「R」の音は、イギリス英語の「R」に比べ、舌をより巻いて発音しますし、イギリス英語の「T」はアメリカ英語に比べて、よりクリアな音に聞こえたりします。
◆アメリカ英語とイギリス英語の違い ー単語編ー
また、同じ物を指すのに、アメリカ英語とイギリス英語では異なった単語を使うことがあります。
アメリカ英語 | イギリス英語 | |
エビ | shrimp | prawn |
茄子 | eggplant | aubergine |
ズボン | pants | trousers |
エレベーター | elevator | lift |
スニーカー | sneakers | trainers |
アパート | apartment | flat |
請求書 | check | bill |
消しゴム | eraser | rubber |
映画館 | Movie theater | cinema |
ポテトチップス | potato chips | crisps |
また建物の階を表す時もアメリカとイギリスでは異なる表現をします。
アメリカ英語は日本語と同じで、
1st floor(1階)→2nd floor(2階)→3rd floor(3階)…と言うのに対し、
イギリス英語では、ground floor(1階)→1st floor (2階)→2nd floor(3階)…
と表します。ん〜、ややこしいのやら面白いのやら!(笑)
日本でも地域によって通じない言葉や表現がありますよね。アメリカ英語とイギリス英語も、日本の「関西弁」「九州弁」…のような現地に根付いた独特な言葉や表現が存在する、と思っていただければいいかと思います。
◆アメリカ英語とイギリス英語の違い ーつづり編ー
アメリカ英語とイギリス英語では、つづり(スペル)が違う単語があることも特徴的です。
例えば、アメリカ英語の realize はイギリス英語では realise と書きますし、アメリカ英語の theater はイギリス英語では theatreと書きます。
アメリカ綴り | イギリス綴り |
realize | realise |
theater | theatre |
color | colour |
favorite | favourite |
defense | defence |
ちなみにカナダの英語は、発音はアメリカ英語だけれど、綴りはイギリス英語…。各国の英語って、本当に奥深いですね。
◆子どもに習わすときに気にするべき?選ぶとしたら、どちらがいい?
「子どもに英語を習わせはじめる時に、その学校がアメリカ英語なのかイギリス英語なのか聞くべきでしょうか?アメリカ英語とイギリス英語、どちらがいいのでしょうか?」とお悩みの親御さまもいらっしゃるかもしれません。
まず、アメリカ英語、イギリス英語に優劣はありません。
アメリカ人の子どもは『ハリーポッター』の映画をイギリス英語のまま見て理解しますし、イギリス人の子どもはハリウッド映画をアメリカ英語のまま見ます。小さな違いはあれど、英語は英語なので、当然といえば当然ですね。
しかし、日本の学校の英語教育はアメリカ英語を採用していることが多いです。その観点から、学校外の英語学習もアメリカ英語の方が発音、綴り、単語など混乱しにくいという利点はあります。
親として「発音や綴りが違うから、やっぱり混乱させたくない。学校の英語教育に統一させたい」と思われる方には、アメリカ英語の学校や教材をオススメします。
実際、世界を見渡してみると、ドイツや北欧諸国などのヨーロッパ諸国は学校の英語教育でイギリス英語を採用している場合が多く、中南米の国々ではアメリカ英語を採用している傾向があります。
将来、英語が母語ではない人とコミュニケーションをとることがあるとしたら…。きっとヨーロッパ出身の方だとイギリス英語を使う人が多いでしょうし、中南米の方だとアメリカ英語を使う人が多いのだと思います。
◆細かく見ればもっと地域性のある英語
今回は大きくアメリカ英語とイギリス英語に分けてお伝えしましたが、世界を見ていくと、オージー英語(オーストラリア)、カナダ英語、シングリッシュ(シンガポール)など話している国や地域によって、もっともっと細かい違いが存在します。しかし、英語は英語。基本的な言語の体系は同じなので、過度に神経質になる必要はありません。
ただ、英語には地域性があることや発音、綴り、特定の単語が違う、なんていうことを頭の隅に知識として置いておくことは、別の英語に出会った時に役に立つかもしれません。
著者:みっちー
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